Nさんがリサイクルに興味を持ったのは、落ち込む着物業界の今後を模索中の一九九八年末に、ブックオフをたまたま訪ねてからだそうだ。当時すでに四〇〇店舗あったブックオフの名前も、古本屋だとも知らなかったからこそ、内装と商品の綺麗さに中古のイメージが覆ったという。その直後にブックオフの社長と話したところ、買い取った古本は洗剤で拭き三面をヤスリで削っているというではないか。これを着物業界に活かせないか、これが二十一世紀のニュービジネスの姿だと直感したという。着物の場合、樟脳臭くなっていたり、ダニやカビがつくこともあるが、丸洗いや抗菌・消臭を施すことで中古品への抵抗を解消しようというわけだ。Nさんは新聞広告での着物回収を考えたが、すでに記載されていた回収記事を見てこう思った。「高価買い取り即時参上」がうたい文句ではまるで金融会社の回収だと。「だから、最初の広告は“着物だってエコロジー”という今までとは全く違う呼びかけを行ったのです」