官民合わせての都市再開発はこのようなまちを壊してしまった。高齢者にとって大切なコミュニティーを壊すような都市再開発を進めておいて、全国で年間数100戸のコレクティブハウジングを高齢者に望ましい居住形態としてつくるのでは、高齢者のいのちと暮らしは守れない。日常的に住宅をこわし住民を追い出す都市・住宅政策をやめ、居住地を安定させ、コミュニティーを維持できる政策への転換が必要である。そのうえで、コレクティブハウジングも存在意義を持ってくる。
(参考サイト)
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むろんこれらの新しい施設の試みが不必要というのではない。それにとりくむ人の努力も評価できる。だが、コミュニティーを壊さないまちこそが、高齢社会の居住政策の基本的課題である。だが現実の日本では、住宅はどんどん壊されている。1993年現在、日本には約4588万戸の住宅がある。5年前の88年には4201万戸であった(総務庁「住宅統計調査」)。5年間に387万戸ふえた計算になる。ところが同じ期間に760万戸の住宅が新築されている(建設省「建築着工統計」)。その差373万戸はどこへいったのか。建設省「建築滅失統計」(実際の滅失住宅の4割弱しか捕捉していないが、傾向はわかる)は、滅失の理由を3つに分類している。88年から93年の間では、(1)火災、地震、風水害などの災害、3.1%(2)危険な老朽住宅の取り壊し、34.3%(3)道路建設や住宅を壊してビルを建てるなどの都市再開発、62.7%再開発による住宅こわし、町こわしの激しさがわかる。コミュニティーの破壊がひどすぎるし、住宅建設もストックにならず、住宅事情はよくならない。また大量の建築資源、エネルギーを消費し、その一方で木材、コンクリート、ガラス、鉄、プラスチックその他の建設廃材が大量に出る。産業廃棄物問題や地球環境問題は、日本の都市・住宅政策とも密接にかかわっている。