グーグルは、ジョナサンーバンドという知的財産の専門家の論文にリンクを張って、自分たちの主張を支持している意見として紹介していた。この論文は、アリバーソフトという画像検索エンジンをめぐる○三年の連邦控訴裁判決を持ちだして、次のようにグーグルを擁護している。検索エンジンが写真のサムネイル画像(小さいサンプル画像)を表示するのは著作権侵害にあたるとカメラマンが訴えた。しかし、利用の仕方や被害の度合いなどから考えて、サムネイルは、米著作権法が定めているフェアーユースにあたり、著作権侵害にはならないという判決が出た。グーグルの本の全文検索もこれと同じで、数行を表示するだけなら著作権侵害にはならず、デジタル化するのもかまわないはずだとバンドは主張した。ウェブ・ページの作成者は、つくった時点で他人に見てもらいたい意思があったわけで、それを助ける働きをする検索エンジンに暗黙の許可をあたえたことになる。本についてもそうしたことが言えるかどうかというのが、図書館プロジェクトをめぐる裁判の争点のひとつだった。本も、発行した時点で読んでもらいたい意思はあったわけで、検索エンジンはそれを助けただけだ、ということができるかもしれない。また数行の表示であれば、写真のサムネイル画像と同じだともいえるかもしれない。とはいえ、これはすべて「かもしれない」ということでしかない。裁判で認められた主張ではないので、グレイゾーンである。グーグルの行為を批判する米大学出版会のトップは、写真のサムネイル画像の裁判ではネット上にあった著作物が対象であり、本をデジタル化するのとは話かまったく違う、図書館にある本のコピーが認められた。
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