世界の自動車メーカーで、800万台の生産、販売をしているメーカーは、いまや米国のGMI社だ。トヨタグループが世界第2位のフォードを追い抜くのも時間の問題といわれている。いまや、世界一のGMへの追撃態勢を着々と構築しているといっていいだろう。なにせ、GMやフォードはこの10年間、世界市場、とりわけ欧州の自動車メーカーとの提携、合併へと突き進んでいった。GMはスウェーデンのサーブを買収、さらにイタリアのフィアットへも触手を伸ばした。フォードは、これまたスウェーデンのボルボの乗用車部門を買収、さらに英国のジャガーを買収して傘下に収めた。90年代後半から21世紀初頭にかけて企業買収にうつつを抜かして、それまで大きく稼ぎ出した利益をはき出して巨額な資金を買収資金に投下していったのである。しかし、自動車メーカーとしての生命線ともいえる研究開発、設備投資への資金投入を怠ったツケがここへきて露呈してきたのである。たとえば、トヨタが先陣を切ったハイブリッドカーヘの対応も出遅れている。GMはトヨタと共同研究する一方、フォードにトヨタのハイブリッドシステムを導入、技術提携を結んでいる。日本でも日産自動車がトヨタと技術提携しているほどで、環境にやさしいクルマとして世界中の注目を集めている技術だ。いまや、ガソリン価格がイラク戦争や中国の需要増などの影響で高騰したことから、燃費の良いハイブリッドカーに消費者の目が移りつつある。すでに米国では1ガロン当り65ドルという原油価格の高騰を受けて、日増しにハイブリッドカー、とりわけ市販車第1号となったトヨタの「プリウス」への人気は高まる一方だ。すでにトヨタは6万5000台を販売したが、旺盛な需要をまかなうために米国工場で「プリウス」の現地生産を開始することを決定している。こうして先進技術への対応の遅れが、GMやフォードを苦戦に追い込んでいる。また、生産性の効率化を怠り、北米市場でも販売台数を落としているほどだ。ガソリンの高騰は燃費の良い日本車へとユーザーを走らせ、GM、フォード車離れが進んでいる。本業を忘れてマネーゲームに走ったツケは下手をするとGMといえども世界一の座をすべり落ちかねない。こうした他社のエラーを見逃さず、着実にポイントを稼ぐのがトヨタなのである。巷間、「トヨタはGMを視野にとらえた」とまで評価されているのだ。
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