世紀末の地球を長期間にわたって大不況がおそっている。フランスでも倒産や失業が増えて、消費が低調。パリはフランスの首都というより世界のファッションのメッカだから、たとえフランスが不況でも、世界のあちらこちらからお客がやってきて、質のよい買物を楽しむといった伝統が息づいてきた。だから、最高級の仕事をするオートクチュールのメソンは繁栄を続けてきたのである。そんな顧客たちは、かつてはアメリカ人やドイツ人であったし、アフリカの独裁者であったり、日本人や産油国からの新興階級でもある。しかし、一瞬にして情報がゆきわたるようになったこの頃では、金融は国境をこえて流通し、たちまち影響しあう時代になってきた。ロマンとスタイルを売るパリの存在感も、少しずつ変わり始めてきたように思う。人間のライフスタイルが変わってきた。健康志向、環境保護、女性の社会進出、政治不安、難民の問題……etc.。